【メーカー】「守り」から「攻め」の情シスへ 利便性と安全性を両立したネットワークの最適解を求めて

株式会社IHIの導入事例

小川 健男 氏

株式会社IHI
高度情報マネジメント統括本部 デジタル基盤部 基盤グループ

https://www.ihi.co.jp/

メーカーインフラエネルギー航空・宇宙

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日本を代表する総合重工業メーカーのIHIが、「出島」構想からゼロトラストネットワークを構築。社内外のコラボレーションを実現する新たなデジタル基盤「IHI Collab. Network」を稼働させ、攻めの情シスへと転換。

「出島」構想から始まったプロジェクト

本日はインタビューのお時間をいただき、ありがとうございます!まずは、クラウドネイティブが参加する前のお話を聞かせてください。

小川 様

クラウドネイティブさんとの出会いは、新しいデジタル基盤の検討をしている時期のことです。

私のグループは、IHIのDX推進を支えるデジタル基盤の高度化を担っていますが、IHIのネットワークは非常に強固な境界防御モデルで構築されており、社外との情報共有が難しいシステム構成となっていました。この状況ではお客様やパートナーと共に事業変革に向けたイノベーションやコラボレーションをすることが難しいため、解決策として新たなデジタル基盤の構築プロジェクトを立ち上げたのです。

調査を進める中で出会ったのが、「ゼロトラスト」というキーワードです。万能な解決策ではないと認識していますが、我々が目指す「安全性と利便性を両立したネットワーク」の実現に向けて、セキュリティを確保しながらも使いやすい環境を構築するのに必要なものだと考えました。ただ、我々にはそれを構築するための知識・経験が十分になかったため、有識者を探し、クラウドネイティブさんを知りました。Webサイトなどを見て、ゼロトラストに関する知識や構築経験が豊富そうだと感じ、お声がけしました。

そうだったのですね。社内外のコラボレーションとは、どのような連携を想定されたのでしょうか。

小川 様

例えば、IHIグループでは橋梁やダムなど社会インフラの点検・補修も手がけてます。効率よく点検することが重要となリますが、点検にはIHIグループ以外のメンバーも関連するため、情報やノウハウを共有したり、点検結果を登録したりする仕組みが求められます。既存のシステム利用環境ではこのような使い方に対応しきれないため、社内外の関係者が共同で利用できるシステムを提供する場が必要だと考えています。

なるほど。共同で利用できる「場」を、いわば一種の「作業場所」として実現したいというお考えから、社外と社内の両方の関係者がアクセスできる環境を構築されたのですね。

小川 様

そうですね。社内環境に社外の利用者を呼び込むという案は、セキュリティ部門と何度も調整を重ねましたが、リスクを許容できないという結論となりました。そこで、外部にシステム利用環境を構築することに決めました。

外部に出すからには、そこを中心に大きく広げていけるようなビジョンもしっかりと作る必要があると考えました。そこで長崎の出島をイメージして、ここを起点に外部とのコミュニケーションやコラボレーションを推進しようと、出島プロジェクトが始まったのです。

『出島プロジェクト』としてスタートし、現在は『IHI Collab. Network』として稼働しております。

小川 様

はい。2年前にクラウドネイティブさんにお手伝いいただいてシステムを構築して以来、現在も拡張を続けています。社内からは「このシステムを使いたい」「こういう仕組みを作りたい」というニーズが多く寄せられており、それらに対応しながら拡張を進め、ビジネスでも活用されています。

原点となったコンセプトの徹底議論

小川 様

プロジェクトの初期段階は、何から手をつけるべきか、この進め方が正しいのか、どういう順番でプロジェクトを進めればよいのかと、手探りで進めていました。そこからかなり早い段階で、クラウドネイティブさんのフォローをいただくことになりました。

クラウドネイティブが参加させていただいた当初、IHI様がこれまで進めてこられた出島プロジェクトの構想についてディスカッションするところから始めました。実際にコンサルティングを受けて、いかがでしたか。

小川 様

非常に良いと感じているのは、単に答えを与えるのではなく、我々に考えさせてくれたことですね。

最初は何から手をつければ良いか分かりませんでしたが、クラウドネイティブさんが提示してくれたロードマップを参考に、まずは認証機能の基盤を固めることから始めました。計画を立てる中で、「なぜこう考えたのか」「将来どうしたいのか」といった質問を通じて、我々が気づいていなかった課題を明確にしてくれました。そのおかげで、最終的に納得のいく方針を一緒に作り上げることができました。

「これが正解です」とか「この方向で進めましょう」というのではなく、「皆さんはどう考えますか」と問いかけながら考えさせる進め方が、私はとても良かったと感じています。

小川 様

もう一つ、クラウドネイティブさんで「すごくいいな」と思っている点は、必ず最初にコンセプトや考え方を示してくれるところです。

別の相談をした時も、クラウドネイティブさんは単純にソリューションを提案するのではなく、「これは本質的にリスク管理の問題です。会社としてどのようなリスクを重視しているのか、リスクレベルと発生確率を考慮しながら検討することで、自然と優先すべき項目が見えてきます。そういったアプローチを取らないと、適切な対策は打てません」というアドバイスをくださいました。このように、即座にソリューションを提案するのではなく、根本的な考え方やコンセプトをしっかりと示してくれる姿勢が、私は非常にありがたく感じています。

お褒めいただきまして、ありがとうございます。コンセプトを重視する弊社のスタイルが、プロジェクト推進の一助となったのでしたら幸いです。

「受け身になる」「プレゼンスが下がる」ー 情シス部門の悩み

今後、DX・情シスの運用や働き方に関して、やっていきたい事はありますか。

小川 様

我々が所属する高度情報マネジメント統括本部という部門は、情シスの機能のみでなく、DX推進の機能も持っています。その中で私のグループは情シスの機能を担当しています。DXが注目される中でプレゼンスを発揮するため、システムの維持管理にとどまらず、新しいことを仕掛けていくという意識を常に持っています。この出島プロジェクトもその一環で、DXを推進するため外部と連携しやすい環境(インフラ)を考えました。実際に利用するビジネス部門と対話を重ね、現場のニーズや困り事を継続的に聞きながら、プロジェクトを進めています。

情シスがより積極的な役割を果たさないと、部門のプレゼンスが低下してしまいますし、若手社員のモチベーションも下がってしまうのです。みんなが楽しく仕事をするためには、周囲から認められ、「よく頑張っているね」という評価や意見をもらうことが大切です。そのためにも、このような攻めの姿勢が重要だと考えています。

ITコストと人材不足への挑戦。標準化とAI活用で未来を拓く

小川 様

攻めの姿勢を続けるために、現在2つの課題に力を入れています。1つ目は、ITコストが右肩上がりになっているという点です。2つ目は、IT人材の不足です。

これらの課題に対して、効率化を進めなければ現状の維持も難しくなってきます。さらに、セキュリティ脅威の増加に伴い、監視の高度化や運用の拡大も必要になってきますので、業務効率の向上に取り組んでいるところです。

弊社は造船から始まり、橋梁などの社会基盤、産業機械や航空宇宙分野など、様々な事業を展開してきました。その過程で企業の買収や売却を繰り返してきたため、ITシステムにもツギハギが多くなっています。また、各部門で個別最適化が進みすぎているのです。例えば、橋梁部門には橋梁専用のシステムがあるといった具合です。そのため、IT人材も部門別のチームで対応しており、チームごとに固有のやり方が定着しています。

これを効率的に運用するには、やはり全体の標準化が必要です。そうすれば、橋梁部門の担当者が産業機械部門の仕事もできるようになるなど、人材の流動性も高まり、効率化も図れます。さらに最近では、AIの活用も効果的だと言われています。まだ十分に活用できていませんが、AIを使いながら業務を効率化し、余裕を持って仕事ができる環境を作っていきたいと考えています。

確かに、攻めの姿勢を取り続けるには、余力や余裕を持つ必要がありますね。

小川 様

そうですね。AIOpsというか、AIを活用して運用面でどのように人の作業を効率化できるかが重要です。最終的な判断は人間が行う必要がありますが、そこに至るまでの調査や情報収集、標準的な仕分けといった作業はAIで十分に対応できるのではないかと考えています。そういった領域でAIを積極的に活用していければと思います。

今後、クラウドネイティブに求められる事と言えば、何でしょうか。

小川 様

AI活用や社内での出島(= IHI Collab. Network)・本社環境での展開においても、慎重に検討すべき点があります。これらの課題について深く理解し、重要な観点を把握しているのは我々だと考えています。そのため、我々の考えをベースに作成した施策に対して、クラウドネイティブさんから専門的な知見に基づいたフィードバックをいただければ、次の施策も自信を持って進められると思います。そういった形での連携を、今後も続けていただければと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました!

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